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賃貸選びのコツ【部屋の広さと家具配置】

賃貸住宅を選ぶときに気をつけたいのは、広さを◯畳や◯㎡という数字に惑わされないことです。数字はあくまでも探しやすくするための目安でしかありません。

大抵の募集情報の平面図には、家具のレイアウトイメージの記載がない場合がほとんどです。ソファやダイニングテーブルをどこに置くのか、現地を見るときに確認しておきたいポイントです。

 

「広い部屋=暮らしやすい部屋」とは限らない

例えば、以下のような12畳程度のリビングダイニングがあるとします。家具の配置にもよりますが、12畳であればソファ、テレビ台、ダイニングテーブルぐらいは置けるぐらいの広さですね。

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12畳程度の間取りの例



しかし、他の要素も含めた実際の間取りが以下のような配置だった場合はどうでしょう。

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他の要素も含めると、、、



洋室への導線を確保すると、ソファの位置が部屋の中央側に少し寄ります。ダイニングと洋室への出入り口の位置関係も近くなります。12畳と聞いて想像した広さと、このように他の部屋や家具レイアウトを含めて見たときの12畳とでは印象が異なると思います。

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洋室に行くための導線を考慮すると、家具の配置に制約が

これで、単純に広ければいいということではないということがわかりますよね。逆に、部屋はコンパクトでも、家具のレイアウトや生活導線がしっかり考慮されていれば生活がしやすい部屋にすることが可能です。 

部屋の広さのメリット、デメリット

面積が大きい部屋
  • 光熱費がかかる(広い面積を暖めるための暖房費用)
  • 暖房の空気が回りにくい(暖房から遠い部屋は暖まりにくい)
  • 広い分、家賃が高くなる(家賃は基本的にm2単価を基準に算出される。使い勝手の良し悪しでは変動しない)
  • 生活導線が長くなる
  • 掃除をする範囲が広くなる
面積が小さい部屋
  • 光熱費が比較的かからない(暖める空間が小さいため)
  • ワンルームに近い部屋であるほど暖房効率がいい(快適性が高い)
  • 小さい分、家賃が控えめ
  • 生活導線が短くなり生活がしやすい
  • 掃除が楽チン

要は、広ければいいというものではないということ。部屋を見た第一印象で、ここにテレビ、ここにソファ・・・と、家具の配置がイメージしやすいお部屋は第一段階クリアと言ってもいいでしょう。どこに家具を置いたらいいんだろう?と考え込んでしまう部屋は注意が必要です。

手がかりはテレビの配線の位置 

現地を確認するときに、テレビの配線がどこにあるかを確認しましょう。設計者が「ここにテレビを置くのがオススメですよ」という意味です(でも、なぜ家具レイアウトが間取り図に描いてないのかは疑問ですが)。暮らし方によっては、「ソファは置かない派」や「ダイニングテーブルは置かない派」の方もいらっしゃるとは思いますが(そもそもテレビを置かない派の方も)、その場合は検討要素が減りますので、より自由度が増します。

テレビからソファの距離の目安

大体の目安ですが、テレビからの視聴距離は大体テレビの画面高さの3倍程度と言われています。テレビの大きさにもよりますが、最低でも2〜2.5m程度、テレビ台やソファの背もたれ部分の奥行きまで考慮すると、大体3m前後が目安で、テレビが小さければその分距離が小さくてもいいでしょう。

内覧で生活をイメージする

いま自分の家にある家具が入るかどうかがイメージできているつもりでも、実際に引っ越してみて「これが納まらない・・・」ということは誰にでもある失敗です。しかし、事前の確認の仕方でできる限りそれを食い止めることができます。今ある家具の寸法を測っておき、現地に行くときはメジャーを持参することで、何もない空間でも家具の配置のイメージから、実際の生活のイメージを膨らませることができるでしょう。