箔押しカレンダー #2
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活版印刷と箔押し
活版印刷とは、「活字」と呼ばれる四角い印鑑のような形の文字を一つ一つ並べて版を作ります。それにインクをつけて紙に印刷する方法。とてもアナログです。製本会社の作業場を見せてもらった時に、「活字」がクルクル回る収納棚にズラッと並んでいたので、てっきり「活版印刷ができる!」と思い込んでいたのですが、どうやらその作業場でやっていたのは「箔押し」という加工でした。
活版印刷も箔押しも、版を使って紙に印刷するという原理は同じなのですが、使う材料や特性も違います。ここは印刷会社ではなく製本屋なので、主に表紙や背表紙にタイトルを印字するときに使うためのもの。カレンダーでは数字とアルファベットのみを使って印字するつもりでしたので、もとからある文字を組んで印字していけば初期コストはグッと抑えられると考えました。
試作品の作成を依頼
試作品の作成を依頼して数日後、、、
「手間がかかりすぎて、試作品は1月分しかできてません・・・」
という社長からのメール。文字の数といい、位置の調整といい、1ヶ月分を作るのに時間がかかりすぎてしまうとのこと。手間はかかるとは思ってましたが、そこまでとは・・・。それは仕方ない、現実的ではないということがわかっただけ収穫があったということで。。。
試作品その1
その後、試作品が出来上がったので打ち合わせ。
「布クロス」という、製本の仕上げ材に使う紙をに対して印字したものがこちら。
緑の布クロスにゴールドの文字。
んー、品があります。
緑を使うならもう少し濃い色がいいかな・・・とか思いましたが、その辺の検討はまだまだ先の話。
ちなみにフォントや文字の大きさは、もともとある「活字」によるものなので選択肢は限られております。
また、こちらのタイプは手間がかかりすぎということでボツです。
試作品その2
そして、新たな進展が。
社長から、「たまたま金版を依頼する機会があって、金額が変わらないから1月分だけ試しに作ってみましたよ」ということで作ってくれた金版によるカレンダーがこちら。
この凹凸といい、滲みといい、なかなかいい雰囲気!こちらは、通称「板紙」(またはボール紙)と呼ばれる、表紙の基材に使われる材料に直接印字しております。
金版の製作は外注になるため、初期コストはどうしてもかかってしまいますが、手間や精度を考えるとこちらの方が現実的ということで、印字自体は金版を使って作る方向に決まりました。
初期コストはできるだけ抑えたいということと、コンパクトな卓上カレンダーというイメージだったので、実用性を踏まえた上で金版をどれだけ小さくできるかということを考えながら、カレンダー自体のデザインを検討していきました。
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