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部屋探しで壁式RC造を選ぶ理由

私が今住んでいるところは壁式RC造の賃貸です。そして過去何度か引越しをしておりますが、一人暮らしを始めた最初の頃を除いては、ずーっと壁式RC造に住んでおります。

 

それぞれの構造のメリットとデメリットを考えたとき、最終的に自分が選んでいる構造が壁式RC造であった理由についてご説明します。 

 

 

その前に簡単に用語の説明を。

【RC造】

いわゆる「鉄筋コンクリート造」のこと。その中でも「ラーメン構造」と「壁式構造」の2つに分類されます

ラーメンとは、柱と梁からなる構造で、主に10階建程度の比較的高い建物がこの構造によって建てられています。ちなみに食べるラーメンは関係ありません。

一方、壁式構造というのは壁(面)で支える構造で、主に4階建程度の建物がそれにあたります。

ラーメン構造か壁式構造かを簡単に区別する方法としては、階数が10階建前後か、4階建前後かでだいたい検討がつきます。(詳しい構造の識別の仕方についてはここでは言及しません)

 

それでは本題に入りましょう。

 

【エレベーターの無い壁式RC造はコスパが高い】

10階建程度となるとエレベーターの設置が必須になりますが、4階建程度だと設置されていないことが多いです。

 

それが何を意味するかというと、エレベーターがあれば建設コストが上がりますし、維持するにも毎年のメンテナンスにお金がかかります。それが回り回って家賃(管理費)に反映されます。同じような立地の同じような部屋でも、エレベーターがあれば便利な分、家賃が高くなります。

 

私は階段の上り下りが苦じゃないので、4階程度ならエレベーターが無くても全然平気です。ただ、引越しはとても大変なので、荷物が少なくても業者に依頼するのがベターです。

 

【壁式RC造は温熱環境が有利】

これは建物のどの階のどの位置に部屋があるかにもよります。外気に面している面積が多ければ多いほど、熱が逃げていきます。角部屋の最上階、もしくは1階がエントランスや車路のような外気に面している角部屋というのが一番不利になり、快適性を確保するためにストーブをつければ光熱費が上がってしまうというデメリットがあります。

 

逆をいうと、一つ屋根の下で身(部屋)を寄せ合って住んでいる中で、できるだけ内側にいた方が外からの温熱的な影響を受けにくい、つまり温かいので、光熱費も比較的少なく済みます。

 

私が今現在住んでいる部屋は3階なのですが、気づいたら下の階の人が引っ越して不在に…。残念ながら、この冬は上記に書いたようなメリットは得られませんでした。。。

 

温熱環境やランニングコストとのバランスをどう考えるか。ここは極寒の北海道ですから、冬の快適性や光熱費というのは温暖な地域に比べて大きなウエイトを占めます。近隣の騒音によるリスクや、採光や通風の良し悪しも含めて、総合的に判断することが必要になります。

 

(木造や鉄骨造との比較については、また別の機会に書いていきたいと思います)

 

【同じ面積でも広い】

これはラーメン構造と比較した場合の話です。先述したとおり、ラーメン構造は柱と梁からなる構造で、構造体となる柱が部屋の内側に出っ張ってくる場合があります。面積を算定する上では柱も含めた面積になりますので、例え同じ面積でも、実際の広さは壁式構造(または木造や軽量鉄骨造)の方が、ラーメン構造に比べて有利になります。

 

【まとめ】

いろいろな構造がありますが、それぞれで採用されている合理的な理由があります。何に重きをおくかで、木造や鉄骨造を選択した方がいい場合もありますが、壁式RC造にメリットがあると感じ、そこに住むことが結果として多くなっております。

 

今後もまた違った視点から「部屋を選ぶとき何を基準にしているか」について書いていこうと思います。