箔押しカレンダー #3
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カレンダーの形状
金版でいくことに決まり、次は具体的な形状を決めることになります。
製本屋だからこそ出来る形はなんだろうと考えながら、本型の案やスタンドタイプの案、壁ありきでそこに立てかける案などスケッチを重ねながら複数案考えておりました。
一番形として面白いと思っていたのが折りたたんで端部を綴じる案。(商品画像参照)一つの面に上下で2ヶ月分。外側の3面で半年分。綴じ紐をほどいて裏返すと、もう半年分になります。クルッと横に回せば2、3ヶ月後のカレンダーをみることができるものです。次の段階として、その形の試作品を作ってもらうことになりました。
素材
シンプルに、素材感を活かしたデザインを作りたいというのは当初から考えておりました。一つは、ハードカバーの芯材として使われる板紙(ボール紙)を仕上げとして使うこと。色違いののバリエーションとして、ハードカバーの仕上げに使われる「布クロス」という素材の中から良さそうなものを数枚ピックアップすることにしました。
試作品その3
1週間後、指定した大きさで作ってもらいました。
折り込んで立たせてみると、今まで平面的なものでしかなかったものが立体的に立ち上がり、ちょっとワクワク。これに金版で印字されたらいい感じになりそうだなと期待が膨らみます。
技術提案
製本屋の社長から折り込み方の提案がありました。こういう形にしたいと思う私の意志を、実際に作っている方が汲み取ってくれて形が出来ていくのはとても嬉しいことです。
板紙素地タイプの方は3枚をサンドイッチして、真ん中の紙だけが繋がっております。表裏の印字する面はそれぞれ数ミリのクリアランスを設けているので折り曲げやすくなります。作成に多少手間はかかりますが、面が独立するのでエッジがとてもキレイに見えます。(スチレンボードで作る建築模型のエッジを思い出します)
同じような形の布クロスバーションですが、作り方が板紙バージョンと違います。こちらはそれぞれの面の板紙3枚を数ミリのクリアランスを設けながら表裏を布クロスでサンドイッチします。クリアランスがあるおかげでどちらの方向にも折り曲げやすくなります。
この可動の仕方、実は製本の際の表紙と背表紙との関係と同じなんです。こういうところで「製本屋が作った感」がさり気なく出ております。
その後の動き
細かい微調整はありますが、これでだいたいの形が見えてきたので、あとは文字のデザインを検討、綴じ方(何の素材で綴じるか)を決めれば商品としては8割できあがり。しかし、その後商品として売り出すまでには色々決めなきゃいけないことが細々あるのでした。
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