箔押しカレンダー #1
昨年、カレンダーの製作に携わりました。
商品ができるまでのストーリーについて少しずつ綴っていきたいと思います。
製本やだからこそできること
初めからカレンダーのデザインを依頼されたわけではなく、
「子供が描いた絵を製本したものを商品にしたい」
ということで、友人を通して製本屋さんから声がかかりました。
ただ、表紙をどうしたらいいか、誰かデザインできる人がいないだろうか、という話だったので、具体的に何がしたいのか、誰に対してどうやって売りたいのか、そもそも僕自身が力になれるのかどうかも全くわかりませんでしたが、とりあえず直接会ってみようということになりました。
社長と直接お話をさせていただき対話を重ねる中で方向性が変わり、最終的には「製本屋だからこそできることとは何か」というコンセプトから何を作るかを考え直そうということになりました。
何ができるか
そこで商品を考えるために、作業場にある工作機械を一つ一つ見させてもらいました。何をするための機械で、それぞれどんなことができる機械なのかを一通り実演してもらいましたが、製本というのは細かい手作業の積み重ねでできあがるんだなと実感。その工程一つ一つのために工作機械があるんです。また、機械といえども全て自動出来上がるわけではありません。セッティングしたり調整したりというのは一つ一つ手作業。とても手間がかかります。
背表紙を裁断する機械。
折り目をつけるための機械。
穴を空ける機械。
分厚い紙にホッチキスの針を通すための機械。
表紙の文字を印刷する機械。
などなど。
その中でも一番自分の中で盛り上がったのが「活版印刷」でした。ここ最近「活版印刷」ブームがやってきており、雑誌や書籍でも目にすることが多くなりました。しかし、ここは製本屋であり印刷屋ではないので、使う場面としては表紙に印字するときのみ。活字の種類が少なく、できることがある程度限られてはおりました。しかし、何かしらの商品を作るのであれば活版印刷しか無いと、そのとき直感で思いました。
商品の検討
それから少し時間をいただき、カレンダーのデザインをして商品化をすることに。スケッチを重ね、形や素材、作り方などの提案をして試作品を作ってもらいました。手間がかかりすぎるものや、イメージ通りにならないものなど、形をみることで初めてわかることがあり、そこから商品にするのに現実的なものを一つ選定。それが今のカレンダーのプロトタイプとなるのでした。
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